ファクタリングは、後に支払いを受ける売掛債権を売却して、資金を得られるサービスです。
そのファクタリングと、日本に昔からあるシステムの手形割引は、非常に似ています。
では一体、何が違うのでしょうか。
現金化の対象になる物が違う
ファクタリングと手形割引はどちらも、後で現金化される物を売却して、早く現金を得られる仕組みです。
ただ現金化の対象になる物が大きく違い、ファクタリングは帳簿にある売掛債権です。
実物する物を現金にするわけではありません。
証明するために請求書は使いますが、請求書自体にはあまり価値はないです。
それに対して手形割引では、紙でできた手形が現金化の対象です。
売掛債権とは違って、ちゃんと物として実在しています。
審査の時の信頼度が違う
ファクタリングと手形割引ではそれぞれ、売掛債権と手形を業者や金融機関に買ってもらわなければなりません。
その前に審査があって、審査に落ちてしまえば買い取ってもらえません。
売掛債権の場合は、買取依頼者や取引先の信頼度が審査に大きく影響します。
なので信頼度がなければ、簡単に審査に落ちてしまいます。
けれど手形割引の場合は、手元にある手形自体に信頼度があるので、審査に通りやすいです。
取引先破産時の対応と手数料の割合に差がある
売掛債権と手形はどちらも、発行した取引先が倒産してしまったら、現金化はできません。
ファクタリングの場合は、売掛債権を売却したら、売却した側に負担はないです。
けれど手形割引は、手形を売った側も負担を強いられる事があります。
またどちらも売却する際には、手数料を支払わなければなりません。
手数料は売掛債権または手形の額を元に計算されますが、ファクタリングよりも手形割引の方が、手数料の割合が少なくなりやすいです。
まとめ:違いを知って使い分ける
ファクタリングと手形割引は、とても似ています。
けれどメリットやリスクが違うので、同じと決めつけるのは危険です。
なので、それぞれの違いを知っておきましょう。
そして必要に応じて使い分けると良いです。
3社間ファクタリングの手数料が2社間ファクタリングより低い理由
売掛金を売却するファクタリングには、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類があります。
3社間ファクタリングではファクタリング業者と利用者の他に、取引先が契約に加わります。
なお、ファクタリングを利用すると、売掛金の金額から「手数料」をファクタリング業者に取られますが、2社間と3社間では料率が異なります。
ファクタリングの手数料
手数料の料率は以下のように3社間の方が格段に低くなっています。
- 2社間:10~20%
- 3社間:1~9%
3社間ファクタリングの手数料の低い理由
3社間の手数料の低い主な理由には以下の3つが挙げられます。
少ない回収リスク
3社間は契約に取引先が加わることで、売掛金の回収がより確実になります。
2社間の場合は、売掛金の代金が利用者に支払われるため、利用者による使い込みや虚偽の危険性があります。
3社間では売掛金が直接ファクタリング業者に支払われるため、その懸念がありません。
売掛金の存在の確認
3社間の場合は、ファクタリング業者が取引先に対して売掛金の存在を直接確認することができます。
2社間では取引先に売掛金の有無を確認できないため、利用者から提出された請求書や取引履歴などを信じるしかありません。
債権譲渡登記の手続きが不要
2社間の場合、ファクタリング業者が売掛債権の所有権を第三者に主張するには、法務局で債権譲渡登記の手続きをしなければなりません。
3社間ではそれが不要であり、手間や時間を削減できます。
まとめ:手数料の費用対効果
手数料を低く抑えたいなら、3社間ファクタリングが適します。
ただ、3社間ファクタリングでは取引先に売掛債権の売却の承諾を得ることになり、信用上の問題が生じます。
また、契約に手間がかかる分、現金化までに時間がかかるため、手数料の費用対効果を検討することが大切です。